「韓流STARが後輩にアドバイスする際、よく使うのが『まわり道をしても、ソウルに着けばいい』という諺。
これは、『目的を持って歩けば、その道のりは決して無駄にならない』という意味で、彼らの実体験に基づいた、いわば“格言”でもあります。韓国の芸能界にも、苦労人は多いんですよ」(韓国のスポーツ紙デスク)今回の『韓ナビ!』は、韓流STARの、意外な“下積み時代”に注目。当時の彼らを知る関係者に話を聞いた。まずは、現在、ソン・スンホン(30)との共演映画『宿命』を撮影中のクォン・サンウ(30)から――。
「もともと俳優を目指していた彼は、大学を休学し、母親の反対を押し切って、地方からソウルに行ったんです。もちろん、仕送りなどはなく、サンウは雑居ビルの地下にある部屋を借り、さまざまなアルバイトをしながら辛うじて生計を立てていました」とは、サンウの知人。「当時は、牛乳と新聞配達を掛け持ちし、昼間はコンビニでアルバイトをしながら、モデル事務所を回る日々でした。それでも生活は苦しく、1カ月15ウォン(約2万円)ほどの生活費で、なんとかやりくりをしていたようです」当時のサンウの日課は1日10件の事務所訪問と、町内のスポーツクラブ通い。「軍隊除隊後は、ソウルの叔母さんの家に居候していましたが、相変わらず生活は厳しかった。その当時の習慣で、今も“昼食を抜く”生活スタイルを続けているそうです」
人気グループ・東方神起メンバーの、ジェジュン(21)も、サンウに負けない“苦節時代”を経験している。「ジェジュンは、1男8女の大所帯に育ち、高校を中退後、歌手を目指してソウルにやって来ました。建設現場での肉体労働や、新聞配達などのアルバイトをしながらオーディションを受ける日々でしたが、満足に食事ができないこともしばしばだったそうです。チョコパイが欲しくて献血をしたり、100ウォン(約13円)がなくて地下鉄に乗れず、友人の家まで3時間かけて歩いたというエピソードの持ち主です」(韓国の芸能関係者)
同じく東方神起メンバーのユンホ(21)も、両親から一切の援助を受けず、芸能界入りを目指した。「彼も、古紙回収のアルバイトや、鉄くず集めをしながら、月35万ウォン(約4万7千円)の生活費で、オーディションを受け続けました」そうした努力の甲斐もあり、若くして夢を叶えた彼らだが、「その程度の苦労は決して珍しくありませんよ」と、韓国のテレビ局プロデューサーは笑う。
「人気ドラマ『チェオクの剣』に主演したハ・ジウォンは、オーディションにおよそ200回も落ちています。
また、『猟奇的な彼女』で人気俳優となったチャ・テヒョンは、一般人と間違えられ、『毎回、撮影現場の警備員に止められた』という苦い経験を持っています」宮﨑あおい(21)との日韓共演作『ヴァージン・スノー』で話題となった、イ・ジュンギ(25)も、オーディションを200回以上落選したのち、メジャーデビューを果たした。「彼が釜山からソウルに来たときの所持金は30万ウォン(約4万円)。ホテルのボーイやガソリンスタンド、レストランの厨房などで働きながら、キムチをのせたご飯だけで、空腹を満たした時代もあるそうです」
また、6月に日本で全国コンサートツアーを行った俳優のアン・ジェウク(35)には、こんなエピソードが。「ドラマ『星に願いを』でブレイクした彼も、デビュー当初は金銭的に厳しかったようです。ドラマ『ホテル』で金持ち役を演じた際は、新人のため衣装の協賛がなく、自前で揃えることになりました。本人は、『衣装代が出演料を上回ってしまった』と、頭を抱えていました」
今年のカンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞したチョン・ドヨン(34)もテレビ局のタレント公開採用試験に落ちた過去が。彼女はお金に苦労した下積み時代の癖で、「今でも、トイレの水は何度も何度も流さない」という。
7月12日の誕生日に日本武道館でファンイベントを行うイ・ビョンホン(36)は、『スポーツソウル』の連載手記で、デビュー前後の時代を、こう振り返っていた。「私の妹のウニは、幼いころにスカウトされて以来、モデルとして売れっ子だった。彼女のつてで、私のもとにも仕事が回ってきたのである」アルバイトとしてモデルの仕事をしていたビョンホン。その後、最愛の父を亡くし、彼は俳優の道へと進む。
Rain(25)も、糖尿病を患う母を、デビュー直前に亡くしている。「病気の母親がリヤカーをひいて生計をたてていた時期もあったため、Rainは母親への思いが非常に強い。彼は、所属事務所との契約金を、すべて母の治療費に使いました。金欠で3日間ぐらいお風呂に入れないこともあったぐらいです。結局、彼の成功を見届けることなく亡くなりました。彼が有名になった今でも無駄に遊ばず、毎日何時間も練習に没頭するのは、当時の苦い思い出があるからではないでしょうか」と事務所関係者。「自分にとっては苦労が一番の財産!」だと繰り返し語るRain。下積み時代の辛い思い出は、華やかな世界を彩る彼らの原動力となっているようだ。