「韓国のドラマや映画業界では、キャスティングが二転三転することも日常茶飯事です。
たとえば現在、日本のBSフジで放送中のドラマ『朱蒙』も、当初はソン・イルグク(36)ではなく、アン・ジェウク(36)が主演候補でした」
と語るのは韓国のドラマ関係者。今週の「韓ナビ!」は、日本でも馴染みの深い、韓流ドラマ&映画の“キャスティング秘話”を一挙公開!
冒頭で紹介した『朱蒙』のキャスティングについて、前出のドラマ関係者が続ける。「ジェウクは、『朱蒙』と同時期に放送されたKBSドラマ『ミスターグッバイ』のオファーも受けており、悩んだ末に、こちらを選びました」結果、高句麗建国を描いた歴史ファンタジーの『朱蒙』は、最高視聴率51.9%をたたき出す国民的ドラマに。
一方、ホテルを舞台とした恋愛ドラマの『ミスターグッバイ』は、10%前後の視聴率にとどまり、明暗を分けた。「イルグクはその後、ペ・ヨンジュン(35)の5年ぶりのドラマ復帰作となる『太王四神記』のキャスティングにも名前が挙がりました」とは、韓国の女性誌記者。「結局、出演は実現しませんでしたが、『朱蒙』と同じ高句麗時代が舞台の話題作だけに、製作側は、彼とヨン様の“夢の共演”を期待したようです」
宮廷女官の半生を描き、空前のヒットとなった『チャングムの誓い』のヒロイン役は、ドラマ『ホテリアー』でお馴染みのソン・ユナ(34)が予定されていたという。「ユナは、時代劇という設定に不安があり、出演を辞退したそうです。実は、続いてオファーされたイ・ヨンエ(37)も、当初は『関心がない』と、出演に消極的だったんですよ」(韓国のスポーツ紙記者)
そのヨンエは、韓国で「18歳未満観覧禁止」指定を受けながら、350万人を動員した映画『親切なクムジャさん』('05年)でも、主演候補のコ・ヒョンジョン(37)に代わり、主役を務めている。
「この作品は、誘拐と復讐がテーマ。2児の母でもあるヒョンジョンは、残酷なシーンを敬遠し、出演を辞退したんです」(韓国の映画関係者)
主演候補の“代打出演”が功を奏したのは、'04年にKBSで放送されたRain(25)とソン・ヘギョ(26)のラブコメディ『フルハウス』。「主演が予定されていたイ・ジョンジェ(35)は、チャン・ドンゴン(36)との共演映画『タイフーン』の撮影に専念するため、出演を辞退。代わって出演したRainは、このドラマで俳優としても高い評価を得るようになりました」(前出・ドラマ関係者)
ちなみにジョンジェは、『タイフーン』の撮影期間が延びたため、'04年放送のKBSドラマ『ごめん、愛してる』の出演もキャンセルしている。「当てにしていたジョンジェのキャスティングが白紙となり、急きょ、出演を要請したのがイ・ドンゴン(27)。しかし、こちらも辞退され、結局、ドラマ『バリでの出来事』で脚光を浴びた、ソ・ジソブ(30)に落ち着いたんです」(前出・スポーツ紙記者)
ジソブは、孤児として育った悲運の男性を好演。女性視聴者の心をつかみ、ドラマの略称から“ごめ愛中毒”という流行語を生み出した。まさにジソブの出世作となった。
'04年のメガヒットといえば、パク・シニャン(39)主演のSBSドラマ『パリの恋人』。最高視聴率は、同年放送の『チャングムの誓い』に次ぐ57.4%を記録した。「韓国版“プリティ・ウーマン”として注目されたこのドラマは、男性主人公のキャスティングが難航しました。ヨン様やイ・ジョンジェも有力候補でしたが、最終的にシニャンに白羽の矢が立った。今や『パリの恋人』は、彼の役者人生を代表する作品です」(前出・ドラマ関係者)
昨年放送され、高視聴率をマークしたMBCドラマ『コーヒープリンス1号店』には、こんなキャスティング秘話が。「このドラマは“同性愛”がテーマ。男装してカフェで働く“コ・ウンチャン”役には、当初、歴史ドラマ『海神』で注目されたキム・アジュン(25)が内定していました」と前出の女性誌記者。
「しかし、当時アジュンは、シャンプーのCMモデルを務めており、髪をバッサリ切ることができずに出演を断念。代わりに、ユン・ウネ(23)が主役に抜擢されたんです」
同性愛を描く脚本が敬遠され、キャスティングが難航したのは映画『王の男』('05年)。
「李朝時代の王に寵愛される美少年“コンギル”役を打診された俳優たちは、あまり色よい返事をしませんでした。ところが、『王の男』は、1千万人以上の観客を動員し、歴代興行成績第2位の大ヒットに。コンギル役を引き受けたイ・ジュンギ(26)も、トップスターの仲間入りをしました」(前出・映画関係者)
ヨン様が李朝時代のプレイボーイを演じた映画『スキャンダル』('03年)は、当初、イ・ジョンジェにキャスティングが決定していたという。「ヨン様は、シナリオを読み、主人公の“チョ・ウォン”役に強く惹かれていたそうです。ジョンジェの出演辞退が正式に決定後、彼は自ら監督を訪ね、出演を直談判しました」と前出のスポーツ紙記者。「2人は話し合いの結果、『映画と同じ伝統衣装を着てメークをし、テストの上で出演を判断する』ことで合意。後日、衣装を身につけて現れたヨン様は、監督のイメージどおりの完璧な姿で、その場で出演が即決したそうです」
そのヨン様を筆頭に、近ごろ大物俳優の“ドラマ復帰”が相次いでいるが、今年後半のキャスティングの目玉は?
「秋から冬にかけてイ・ビョンホン(37)のドラマ復帰が実現する可能性が極めて高い。
映画では、母子の愛を描いた『マザー』で約4年ぶりに本格復帰するウォンビン(30)に注目が集まりそうです」(前出・スポーツ紙記者)
豪華キャストが演じる、今後の韓流作品に期待!