STARとともに、キラリと光る演技で物語を彩るのが、個性溢れる名脇役の存在だ。
今回の「韓ナビ!」は、数々の人気ドラマで好演した“名脇役10人の今”を大追跡。今週は、彼らが“主役”です!
「ヨンジュンさんは僕より少しだけ誕生日が早く、友人というより“兄貴”的な存在。
昨年の1月、撮影で足をケガした直後にもかかわらず、松葉杖姿で僕の誕生会に飛び入り参加してくれたときは、本当に感激しました」
本誌取材にそう語るのは、『太王四神記』でヨン様の側近、チュムチを演じたパク・ソンウン(36)。昨年10月、恋人役のシン・ウンジョン(35)と結婚し、世間を驚かせた。
「周囲には秘密にしていましたが、ドラマでキスシーンを演じたとき、実はすでに彼女と交際中だったんです。
事前に2人で“リハーサル”もしましたが、本番では妙に緊張してしまいました(笑)」
結婚後も仕事は順調で、先ごろ最終回を迎えた『エデンの東』では夫婦共演も実現。
また、現在放送中のドラマ『カインとアベル』では元北朝鮮特殊部隊の脱北者を演じ、主演のソ・ジソブ(31)と迫真の演技を見せている。
「これまでとは違うかっこいい役で、僕自身も興奮しながら演技をしています(笑)。
このドラマの次は、映画『白夜行』で、ソン・イェジンさん(27)たちと共演予定です。日本でも公開予定なので、楽しみにしていてください!」
お次は、『パリの恋人』などでコミカルな演技に定評があるソン・ドンイル(39)。最高視聴率34%を記録したチソン(32)の復帰作『ニューハート』で心臓外科の教授、イ・スンジェ役を好演し、新境地を開拓した。
「デビュー当時は正統派だったのですが、お金を稼ぐためにコメディをはじめたら、意外と評判がよくて(笑)。
こう見えても、昔は内気であまり笑わず、どちらかといえば人が苦手でした。今は、結婚して子どももできたし、生活にも余裕が出てきたので、自然体で演技をしています」
と、ご本人。’04年、14歳年下女性との“年の差婚”で話題になった彼、現在は2歳の男の子のパパでもある。
「なるべく家族との時間を大切にしたいので、外ではお酒を飲まなくなりましたね。
その代わり、自宅のインテリアを居酒屋のように改装したので、仲間を家に招いて飲む機会が増えました(笑)」
そんな彼の次回作は、映画『国家代表』。平凡な青年がスキージャンプの国家代表へと成長する姿を描いた作品で、
「私はコーチ役を演じます。コミカルな役ばかり演じているように思われていますが、決して仕事を選んでいるわけではありません(笑)」
充実した家庭生活が、演技の幅を広げているようだ。
「日本の韓流ファンは熱心な方が多いですね。でも、私に興味はないようで……(笑)」
と本誌インタビューの冒頭から自虐ネタで笑いを誘うのはKBS四季シリーズの『春のワルツ』スホの父(イ・ジョンテ)役などでお馴染みのベテラン俳優、イ・ハヌィ(47)。
実は彼も“年の差婚”で話題をふりまいた1人。昨年結婚したばかりの夫人は、彼より17歳も年下だという。
「よく誤解されるのですが、積極的にアプローチしてきたのは彼女なんですよ(笑)。
彼女は、私がかつて出演したドラマのメーク担当でした。ドラマの終了後、私の個人サイトにメールをくれるようになって、そこからお付き合いが始まったんです」
チェ・ジウ(33)との交際が発覚したイ・ジヌク(27)と、ドラマ『ガラスの城』で、共演。“怠け者で頼りない継父”を演じた彼も、実生活では頼れる1児のパパ。相好を崩し、
「年の差を考えて結婚に不安を感じたこともありますが、自分は家族にとって“最高のプレゼント”にならなければ、と思うようになりました」
同作で彼の妻(ジヌクの母親)役を演じた女優、パク・ウォンスク(60)は、「ヒロインをいびる姑」から「貧しい母親」まで、どんな役も完璧にこなす名バイプレーヤー。
『コーヒープリンス1号店』では、ユン・ウネ(24)の母親を演じ、存在感を見せつけた。
現在オフの彼女に代わり、マネージャーに話を聞いた。
「いま彼女は、地方にある別荘でご家族と過ごしています。
《忙しくてできなかった趣味のガーデニングに没頭できる》と喜んでいますよ」
彼女は、ドラマで共演したイ・ジヌクを実の息子のように可愛がっていたという。
「ジヌクさんの印象を聞くと、《とても人懐っこい性格。休憩中も自分の息子のようにあれこれ世話をしたくなってしまった》と話していました」
実は彼女は、’03年に最愛の一人息子を不慮の事故で亡くしている。韓国紙記者が語る。
「’03年、当時34歳だった息子さんは、サイドブレーキのかかっていないトラックの下敷きになり亡くなりました。
息子さんには、奥様と当時5歳の娘さんがおり、ウォンスクさんもショックでうつ病を患ってしまったのです」
その後、彼女は深い悲しみを乗り越え、愛情と優しさをたたえた名女優として、その地位を不動のものとした。
“元祖韓流ドラマ”の『美しき日々』『火の鳥』に出演、昨年放送の『オンエアー』でパク・ヨンハ(31)の母親を演じたイ・ギョンジン(52)。
今年、芸能生活35周年を迎える大ベテランは、
「現在、長期休暇をいただいています。最近は趣味のゴルフを楽しむ毎日で、『体育大学院のゴルフ学科で講義を受けるほどハマっている』と聞いています(笑)」(マネージャー)
彼女との共演作『コーヒープリンス~』でホン社長を演じたのはキム・チャンワン(55)。韓国版『白い巨塔』の副院長役など、渋みのある演技が持ち味の彼は、伝説のロックバンド“サヌルリム”のボーカル兼ギタリストでもある。
メンバーは3兄弟。長男のチャンワンが俳優業に進出後も、活動を続けていた。
「しかし昨年1月、末っ子の弟さんがカナダで事故死してしまったのです」(記者)
弟の死を現実として受け入れるため、彼はこれまで以上に音楽活動に没頭するようになった。4月には、全国ツアーも予定されているという。
本誌取材に所属事務所は、
「現在は週6日、ラジオのレギュラー番組を持っており、3月からは新ドラマにも出演が決まっています。本人に取材の趣旨は伝えましたが、
《ドラマ共演者とのエピソードを語るほど、彼らと親しくないからなぁ……》と困惑しておりました。現場で話すことがあっても、個人的に親しくなることはないようです」
ロック魂は健在なのである。
ソン・イェジン(27)の『恋愛時代』で、カム・ウソン(38)の小学校の同級生役を演じたコン・ヒョンジン(36)は、芸能人野球チーム『プレイボーイズ』に所属。
「なかでも親しいのが、映画『ブラザーフッド』で共演したチャン・ドンゴン(37)。
ヒョンジンの別名は “ドンゴンのスポークスマン”で、あらゆる裏話を暴露しています(笑)」(韓国・ドラマ関係者)
バラエティ番組で《彼がいると自分が目立たないから早くアメリカに行ってほしい》などと笑いを取るのも近ごろの“お約束”とか。ヒョンジンの近況を所属事務所が語る。
「現在はラジオのトーク番組でMCを担当しているので、忙しい日が続いています。
3月初旬の芸能人野球チームの大会ではトップバッターで活躍し、猛打賞も獲得しました。残念ながら、ドンゴンさんは不参加でしたが……」
ドンゴンの欠場で目立った彼は、終始上機嫌だったとか。
悪女役で異彩を放つイ・フィヒャン(48)は、『春の日』でチョ・インソン(27)の母親・フェリム役を怪演。『天国の階段』でも、ジウ姫をいじめ抜く継母・ミラ役を演じた。
鬼気迫る演技力にますます磨きがかかってきたと評判だ。
「あまりにインパクトの強い役柄が多いため、彼女にはアンチも多いんです」
とは、前出の女性誌記者。
「しかし、’05年にがんでご主人を亡くした直後から、女性ファンが急増しました。
ご主人の死後、妻として彼の旅立ちを見送るべく、彼女は50日間も山寺に籠もりました。そんな姿を見て、視聴者は心を打たれたのでしょう」
だが、昨年は出演ドラマ『幸せです』のワンシーンを巡ってこんな騒動も発生。
「高級エステのシーンで彼女のバストラインが大胆に露出し、女性視聴者から抗議が殺到したんです」(記者)
どうやら、世の韓国女性は“ヒール役”の彼女を放っておけない様子。そんな視聴者の“声援”と、苦楽を共有した夫との思い出を胸に、彼女は今後もさらなる飛躍を見せてくれることだろう。
『私の名前はキム・サムスン』の“やり手女社長”、ナ・ムニ(67)は、“口うるさいオバサン”役が定番。撮影現場でも“本領”を発揮し、共演者を戦々恐々とさせているという。
ある映画の撮影現場での話。
「ムニさんがトイレに入ったまま出てこないので、心配した共演者が見に行くと、彼女がトイレを掃除していたんです。ビックリ顔の共演者に、ムニさんは『トイレは常に清潔にしないといけない』とお説教を始めたとか(笑)」
所属事務所に近況を聞くと、
「現在はドラマの撮影中で、ほとんど休みが取れない状況なんです。高齢なので、体調が心配なのですが……」
そんな心配もどこ吹く風。たまの休日は、次回作選びのためシナリオを読み漁っているというからご立派!
最後は、大ベテランの域に達したキム・ヨンエ(57)。
『ファン・ジニ』でハ・ジウォン(30)の師匠イム・ベクム役を演じ、日本でも有名な彼女。女優業のほか、『黄土パック』の事業で広く知られる女性実業家でもある。
「’01年ごろに販売を開始した黄土パックは、テレビショッピングで爆発的にヒット。約2時間の放送で、17億ウォン(約1億1千万円)もの売り上げを記録し、彼女の会社も急成長を遂げました」
’04年、彼女は事業に専念するため芸能界を引退。しかし、
「30年以上続けた演技への熱は冷めず、彼女は次第にうつや不眠症に悩まされるようになってしまったそうです。
それを見かねたご主人は、知り合いから『ファン・ジニ』の脚本を入手、彼女に復帰を強く勧めたそうです」(記者)
2年半ぶりに芸能界へ戻った彼女だが、’07年にKBSが黄土パックを否定的に扱う報道をしたため彼女が副社長を務める会社とKBSで訴訟トラブルが勃発。一時、女優も休業した。最終的に訴訟に勝ち、所属事務所によると今は、
「現在も映画の撮影中で現場に缶詰め状態です」とのこと。
次回作では、死を目前にした母親役を演じるそうだ。
名脇役たちの「サイドストーリー」にもドラマあり!