ここ3~4年で、日本でも定着してきたK-POP(韓国のポップミュージック)。意外にも、これまで日本で発売されたK-POP部門の売り上げランキングが公表されたことはなかった。
今回、TSUTAYA RECORDSの協力により、2007年12月の最新 K-POP CD売り上げランキング(シングル・アルバム含む)が判明。そのデータをもとに、『歌手別・売り上げランキング』ベスト10を本邦初公開!
K-POPのランキングがこれまであまり出てこなかったのには、ある事情があるという。『K GENERATION K POPのすべて』(DHC)などの著書もあるDJ・古家正亨さんは言う。「日本にK-POPが入って以来、それをジャンル分けしてデータ化しなかったことなどが、ランキングが出なかった理由でしょう。今回、このようにベスト10を出せたのは、大変なことです。ちなみに、韓国は信頼できるCD売り上げのデータが残念ながらほとんどありません。私が韓国の音楽のガイド本を出そうとしたときも、本当に苦労しました(笑)」
今回の初ランキング、栄えあるトップに輝いたのは、東方神起。シングル『Together』『Forever Love』(エイベックス)など、シングル&アルバム曲売り上げ上位10位までに、なんと7曲がランクイン!
「今年の上半期には東方神起とSS501が韓国でも積極的に活動する予定なので、日韓で相乗効果を呼び、さらに人気を集めることになるのではないでしょうか」(古家さん)
これに続く2位はシン・スンフン(39)だ。スンフンは、韓国では「バラードの皇帝」と呼ばれる歌手。韓国で1千400万枚以上のCDをセールスした人気シンガー・ソングライター。韓国だけでなく、日本でもその実力を発揮している。アルバム『シン・スンフン ウィンタースペシャル』(エイベックス)は、曲別チャートで3位に。「彼は横浜アリーナで1万人コンサートを即完売させる快挙を達成。この規模でのコンサートをできるのは大したものです」(古家さん)
そして3位には、ご存じリュ・シウォン(35)が入った。‘04年に発売したアルバム『約束』は、20万枚を売り上げるヒット。また、‘05年には韓流アーティストのトータルセールス1位にも輝く。根強い人気がうかがえる。今回の調査では、シングル『花の首飾り/なごり雪』(徳間ジャパン)が曲別4位に。ほかに、『With You』『秋桜』(ともに徳間ジャパン)も高い売り上げを誇る。
4位にはジョンフン(キム・ジョンフン・27)が登場。ジョンフンは韓国で‘00~‘05年まで男性デュオ・UNとして人気を得ていた。‘06年に『宮 love in Palace』での演技が話題になり日韓で大成功。その後、日本での歌手活動を開始した。アルバム『僕たちいつかまた…~Eternity2007』(ポニーキャニオン)が曲別7位にチャートインしている。
5位にはRain(25)が入り、アルバム『Eternal Rain』(キングレコード)などがチャートイン。
6位がZero(年齢不詳)。韓国初のサイバー(覆面)歌手として活動を開始。‘04年から日本のプロモーションを始め、現在は日本を中心に活動中だ。カバー・シングル『千の風になって』(エイベックス)がヒットしている。
そして7位にパク・ヨンハ(30)。日本では‘04年にアルバム『期別』が大ヒット。今回は、アルバム『present~Park Yong Ha Sel』やシングル『永遠』(ポニーキャニオン)が上位にランクイン。
8位は、いままでのメンバーのなかではニューフェースといえる宇宙(ウジュ・22)。癒し系ルックスと歌のうまさで人気急上昇中で‘06年ごろから活動の場を日本に移し、コンサートを開催している。‘07年10月に日本デビューシングル2枚を同時に発売。『マイルドでいこう』(エイベックス)がチャート上位に。
続いてアン・ジェウク(36)が9位に。日本でも数々のコンサートを開き、注目を集め、アルバム『FOREVER』は、中国や日本でもヒット。今回は『Ahn Jae Wook Special Album 「My life is…」』(ポニーキャニオン)が上位に入った。
10位に入ったのはSE7EN(23)。『FIRST SE7EN』(コロムビア)がランクインしている。
K-POPが日本でもヒットするには、何らかの法則があるのだろうか。古家さんはこんなふうに指摘する。
「1.バラード、2.情緒に訴える歌詞である、3.日本の曲のカバーなどがヒットの条件になりそうですね。
基本的に日本のK-POP好きの中心層は30~40代。‘80年代~‘90年代に流行した音楽が身近にあり、今回、ベスト10アーティストが歌う曲がそれに近く、身近に感じるのだと思います。加えてK-POPバラードは日本にはないジャンルで、情緒に働きかけるものが多い。韓国のバラードは演歌とポップスの中間にあり、共感を覚えやすいといえそうです。そして、ドラマとリンクしやすいのも特徴でしょうか」
今年から韓国の音楽著作権協会と日本の協会が手を結び、テレビやラジオで韓国の音楽をそのまま流せるようになった。これによって日韓で流行する歌が共通してくるともいわれている。古家さんは言う。
「これまで日本で発売している韓国人歌手の音楽しかテレビやラジオで流せなかったのですが、今後はK-POPがダイレクトに日本に入ってくるため、今、韓国でヒット中のBIG BANGやSGワナビーなどが注目を集めそう。
今年大ヒットが予想されるのは米国進出のSE7ENとハリウッド映画の主題歌を歌う予定のRain。世界的な視点から評価されそうです」
‘08年のK-POPはどんな曲がヒットするかな?