「'00年ごろまでは、ミリオンヒットもあったのですが、その後、K-POPは長らく冬の時代に突入しました。違法ダウンロードが横行し、若者のCD離れが進んだのが原因です。でも最近、新人の活躍もあり、久々に10万枚クラスのヒットが続き、K-POPブームに沸いているんですよ」
と語るのは、ラジオDJの古家正亨氏(34)。『韓国ミュージック・ビデオ読本』の著書もあるK-POP専門家だ。
確かに、東方神起の一大ブレイクをはじめ、スーパージュニアや、本誌先週号で特大グラビアを飾った超新星などK-POPがアツい! そこで、今回の「韓ナビ!」では、古家氏が'09年期待のK-POPユニットをナビ!
「なんといってもBIG BANG(ビッグバン)です。楽曲制作からダンスの振付なども、自ら行うアーティスト。“韓流”と一括りにできない存在ですね」
R&Bやヒップホップと、アメリカ寄りの音楽だが、どこか韓国的な情緒が入っているのも、人気の理由だとか。
彼らの育ての親が、所属事務所『YGエンターテインメント』のヤン・ヒョンソク代表(38)。ヤン氏は、'90年代半ば一世を風靡したアイドル『ソ・テジ&ザ・ボーイズ』の元メンバーなのだ。
「ビッグバンはオーディションによって集められ、ヤン氏の肝いりで育てられました」
今年、K-POP界にまさしく“ビッグバン”を起こしそうな勢いだ。
「アイドルロック不毛の地・韓国にあって、珍しくロックバンドなんです。そんなチャレンジ精神にも好感が持てますね」と古家氏が勧めるのが、FTアイランド。'07年、『愛の病』でデビュー当時は、メンバー5人全員が中高生だった。
「彼らは、3カ月ほど日本に音楽留学をして、ライブハウスを回り演奏して、経験を積んでいたんですよ」
そんな彼らも、今春、3人が高校を卒業予定だという。
「韓国には、SMエンターテインメントとDSPエンターテインメントという2大音楽系事務所があります。この2社が戦略上、所属ユニットを対立させることによって、相乗効果を生んでいるのです」
最近では、東方神起対SS501がその関係にあった。次世代で対立中なのが、スーパージュニアと、昨年4月にデビューしたばかりのA'ST1(エースタイル)。
名前の由来は「アジアのナンバーワンの星になる」という目標が込められているそう。
13人という大所帯のスーパージュニアに対して、エースタイルは6人。数では負けているが、国籍数では負けていない。
「彼らはバラエティさが売りのひとつ。メンバーも韓国人、在米韓国人、中国人、日本人と多国籍なんですよ」
気になる日本人メンバーは、TOMO(22)。昨年8月に、東京で行ったショーケースでは、日本語のMCを率先して、アピールしていた。
ちなみにグループ活動を続けるにあたり、いちばん大切なのが、メンバー同士の結束力。韓国では年齢による上下関係によって、ビシッと良好な関係を維持している。
「私は以前、スーパージュニアのイベントの司会を担当したことがあるんです。事前の打ち合わせでは、年長の2人だけが椅子に座って、残りのメンバーは背筋をビシッと伸ばして直立不動のまま立っていました(笑)」
基本的に韓国のアイドルグループは全員、事務所のマンションで下宿。同じ屋根の下で共同生活を送ることも、チーム力強化の秘訣のようだ。
「ファッションは日本的で、音楽性はマイケル・ジャクソン。韓国っぽさがあまりないのが、SHINee(シャイニー)」
東方神起の“弟分”的存在で、5人のメンバー全員が現役高校生だ。
「次世代を担うユニットは、彼らしかいません。事務所も、一過性のアイドルというより“時代のアイコン”にしたいという狙いがあるようです」
もちろん、ほかのユニットに負けず劣らずのイケメン揃い。メンバーのミンホ(17)は、最年少でアンドレ・キムのファッションショーのメーンモデルに抜擢されたほど。
「みんな、今後の活躍が期待されていますが、彼らには兵役という現実が待っています。除隊後の復帰も大きな問題でしょう。一方、女性もK-POPブームに貢献しています。東方神起の“妹分”『少女時代』と、社会現象を巻き起こした『ワンダーガールズ』という2つの女性ユニットがヒットチャートを賑わせています」
'09年、東方神起に続く音楽界の新STARは誰かな!?